最近、新規、リニューアル共にサイト打ち合わせの際に必ず話に出てくるのが「レスポンシブデザイン」って言葉。
「Googleが推奨しているから」という話を知ってか知らずか、なんかみんな「レスポンシブ」って言葉好きだなぁ。となかなかその波に乗り切れないでいます。
もちろんレスポンシブデザインを否定してるつもりもないし、作ってたりしますけど、そんなにいいもんですかね?
クライアントと制作者という部分で考え方も違うんでしょうが、個人的には作ってて「満足!」なものは少ない気がします。
目次
そもそもレスポンシブデザインって何よ
レスポンシブデザインとは。というところからです。
これまでの「ホームページ」ってのはパソコンで閲覧することが前提でした。
途中に「ガラケー」とか入ってきましたけど、それを経て今ではスマホにタブレットなど多種多様なデバイスで閲覧することが普通になってきました。
「ガラケー」時代はパソコンと通信環境も違うし、読み込める容量も違うしで、基本的に全く別のサイトを作っていました。
現在ではスマホ、タブレット。と一括りにしてもその中にはものすごい多くの閲覧環境があって、それぞれに対応したサイトを作っていくには、手間とお金がかかりすぎる状態です。
そこで、「ワンソース・マルチユース」ということで、ひとつのサイトを全てのデバイスで最適な環境で閲覧できるようにしよう。というのがレスポンシブデザインです。
つまり、一つホームページ作れば、あとは画面幅にあわせて見え方が変化する。というものですね。
クライアント側から考えてみる
発注いただくお客さんの層によって、いろいろと違いは出てくると思いますが、僕が対するお客さんの多くは「安く、そして早くホームページを作りたい」というのが多いです。
レスポンシブからちょっとそれますが、発注する側からしたら、最近のサイト制作依頼は楽しいんじゃないかと思います。
これまでFlashを用いていたような画像のスライドなどがJavascriptで簡単に安くできるようになり、それを利用したサイトが普通になってきています。
日頃そういうサイトを見ているクライアントは、「うちでもこれやろう!」と、依頼してくるわけです。
でも結局は「あれもしたい、これもしたい」と依頼が増えすぎて、その分工数かさむから金額増えてしまって予算が…。となったりはしますけど。
話を戻して、レスポンシブも「あれもしたい」の一つなところもあって、同業や知り合いのお店とかがそういう対応したサイトを持っていると「うちでもやりたい」となって、「一つしかサイト作らないから予算も抑えられるんじゃないか」となるわけです。
ここがちょっと発注側からはわかりにくいところかもしれないですが、「一つしかサイトを作らないから安くなる」というのは違うと思っていて、実際は「その一つのサイトを作るために、よく考える必要があるので、そうそう安くはならない」と考えて見積もってます。
つまり、レスポンシブってのは「A」という構成のサイトを「A」のまま出すんじゃなくて、デバイスによって「A'」だったり「A''」だったりと変化させる必要がある(もしくは、させたいという願望がある)から、その分お金かかります。ってことです。
別々にサイト作るよりは安いでしょうけど。
制作者側から考えてみる。
ただ、個人的にはレスポンシブよりも、スマホ専用のサイトがある方がいいと思います。
その理由としては、「そもそもPCとスマホでは要求が違う」と考えてるから。
PCとスマホでサイトに求められている役割が違うのに、同じ内容を表示しても意味ないかなぁ。と。
例えばエステのサイトを作る場合、PCで見てる人はどういったサービスが受けられるのか、金額はどれくらいか。など、近隣のエステと比較したりして、まだ行くかどうかが確実でないユーザーが多いと考えます。
スマホで見てる人は、もう行こうとしている人、もしくは近場まで来たけど道に迷ってる人など、行くことがほぼ決まっているユーザーが多いと考えます。
この2つのユーザーに対して、PCに最適化されたサイトを見せた場合、PCで閲覧しているユーザーは満足かもしれないけれど、スマホから見たユーザーは見たい情報になかなか辿り着かなくて、結局行くのをやめてしまうかもしれません。
であれば、やはりそれぞれのデバイスに対応したサイトを作ってあげる方が最適である。と考えてます。
もちろん、最初からそうする必要はなくて、解析見ながら対応していってもいいと思います。
そもそもレスポンシブとセットに近い「モバイルファースト」って考え方がないままPCサイトを従来通りの形でつくろうとしているのが問題な気もしますけど。
Google様が言ってること
確かにGoogle様は言いました。
レスポンシブ ウェブ デザインを使うサイト、つまり同じ一連の URL ですべてのデバイスに配信するサイトで、それぞれの URL がすべてのデバイスに同じ HTML を配信し、CSS を使ってデバイスでページをレンダリングする方法を決定します。Google ではこの設定をおすすめしています。
そしてこの「レスポンシブ推奨」部分だけがひとり歩きして、「Google様に好かれるにはレスポンシブじゃないと」となってしまってると思います。
きちんと読めばGoogle様が言いたいのはそこじゃない。と気づくと思いますが。
Google様は3つの設定でサポートすることがちゃんと書いてあって、別に「レスポンシブ最高!」なんて一言も言ってないんですよね。
この「Google様はレスポンシブが大好物!」ってのを誇張して伝えてるのは、受注側の陰謀じゃないかと思ってます。
もちろん、レスポンシブの受注を増やすための…
それぞれに最適化するのもそう難しくない(気がしてる)
結局、レスポンシブであろうがなかろうが、それぞれのユーザーに最適な情報を提供できるものに作ることが制作側に求められていることです。
でも、別々のサイト作るのには予算が足りない…。というお客さんもいるかと思いますが、iPhoneを提供しているAppleだってスマホサイトないですからね。
ただきちんと計算され尽くした形でPCサイトを表示していますけど。
特に最近はWordPressでサイトを作ることが一般的になりつつある状態なので、それぞれに最適な情報を与えるのは困難ではないと思っています。
「思っています」というのは、頭のなかではそう考えてるけど、そういう発注うけたことないし、制作したこともないので。
多分既にそういうのやってるところがほとんどかもしれませんが…。
WordPressを利用したサイトであれば、閲覧環境によってテーマを振り分けてあげれば最適な情報を最適なデザインで提供することができます(よね?)
いや、簡単ではないんでしょうけど、レスポンシブでマッチしない情報を提供するよりは全然よくて、別々のサイトを運営する予算、手間も全然少なくてすみますよね。
今後、個人的にはレスポンシブ案件はこっちにシフトしていく(もうしてるのかも)と考えてます。
おわりに
あまりにも制作側の都合で「レスポンシブ」が持ち上げられてる案件が特に多い気がして、なんか自分の中で非常にモヤモヤとしたものを抱えています。
簡単に「レスポンシブで」というけれど、きちんと考えてみるとそれ一択じゃないよ。ということをきちんと頭に入れておくことが大事ですね。
結局のところ何を言っても、「クライアントの目的を達成するサイト」が一番正しいんでしょうけど。
そいぎ~